現在、大企業のリーダーを見ていると2種類のリーダーシップに分かれる。
ハード系リーダーシップとソフト系リーダーシップである。
『ハード系リーダーシップ』とは、ビジョンを作り、それを皆に伝え、鼓舞したり勇気づけ、引っ張っていくイメージです。“戦国武将に学ぶリーダーシップ”という感じです。これに比べ『ソフト系リーダーシップ』は、相手の気持ちを察して、それに対して積極的に影響を与えていくというものです。これまで日本社会を支えてきたのは、「ハード系リーダーシップ」である。正社員の男性ばかりで、年功序列、終身雇用というピラミッド型組織では、上下関係がはっきりしている。リーダーは、相手の気持ちを思いやらなくても(上下関係に従って)『こっちだ!』と言えば、基本的に部下はついてきます。部下としても、長く会社のお世話になるわけですから、上司の言うことを聞いた方が得なわけです。
ところがここ10年ほど、「ソフト系リーダーシップ」が注目されている。
理由は、組織の環境が変わってきたため。上下関係だけで仕事を進めるのではなく、横のつながりを重視する「プロジェクト型」になってきているのだ。例えば半年間のプロジェクトで、職種や部門の違うスタッフが一時的に一緒に仕事する場合がある。このような時、同じ社内でも『あなたはこのプロジェクトのチームリーダーだが、私の上司ではない。今後、何年間も一緒にいるわけではない』という状況が出てきます。そうなると、これまでのやり方では相手が言うことを聞かなくなってきてしまう。
相手に対して命令権限がない場合に、自分の思いを伝え言うことを聞いてもらうには、「ソフト系リーダーシップ」が奏功する、というわけだ。
人材コンサルティング会社のキャリパージャパンの調査によれば、企業の役員の男性と女性を比較した場合、女性の方が「ソフト系リーダーシップ」が強い、という結果が出たという。「『ソフト系リーダーシップ』があるというのは、人間関係の調整などの“ドライブ”が強いということ。相手とうまくやっていくという社交性は、明らかに女性リーダーの方が強い。女性リーダーは、『ソフト系リーダーシップ』を男性以上に活用しているということです。なぜ、女性は「ソフト系リーダーシップ」を発揮しやすいのか。女性の場合『ソフト系リーダーシップ』を活用しないと、リーダーとしてやっていけない場面が多いためである。男は上下関係だけで言うことを聞いてくれるから、人間関係の試練が少ない。しかし女性が例えば年上の男性と一緒に仕事をする時、『何であんたの言うことを聞かなければいけないんだ』と言われる可能性が高く、気を使わざるを得ない。男性の場合、仕事の中で様々な困難や試練に打ち勝ち、乗り越えた時に一皮むけて学ぶ人が圧倒的に多いが、女性は人間関係の中から学び、リーダーとして成長したという人が多い。
そんな今、必要とされる「ソフト系リーダーシップ」に近いものとして「インクルーシブリーダーシップ」があります。一人の強いリーダーシップではなく、それぞれメンバーが持っているリーダーシップを発揮させるためのリーダーシップです。
そんな「インクルーシブリーダーシップ」を弊社セミナーで学ぶことが出来ます。
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